【 海外の旅 】庭園

エディブルスクールヤード訪問記 ポートランドのコミュニティカレッジ

ポートランド エディブルスクールヤード 【 海外の旅 】

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「エディブル・スクールヤード」は、学校の中に生徒達と食べられる庭を育て、その育てる過程や庭にあるさまざまなコトやモノを授業で活用して、教育に活かしていくプラグラム。

ポートランドはコミュニティに関して先進的なので「エディブル・スクールヤード」もいくつか存在しています。見学許可が得られやすそな「ポートランド コミュニティーカレッジ」を選びました。

見学許可をもらうまで

1:websiteのアドレスにMail送信。極めて不慣れな英語で問い合わせ、こちらの希望の日程も記載。通訳できる人がいる?という厚かましい質問も添えて。
2:数時間で返信あり。日本語のわかる人もつけてくれるという!
3:ありがとうと日時確定の返信。

24時間でやりとり完了

仕事が早い!!!柔軟な対応が有り難く、話の進み方がとてつもなく早いことに衝撃を受けました。思うに、受け入れるかどうかの判断は現場に任されている。日本との違いを感じました。

エディブル・スクールヤードのプログラム

始まりはカリフォルニア

1995年にカリフォルニア州バークレー市にある公立中学校の校庭に作られたのが始まり。

地元のオーガニックレストラン『シェ・パニース』のオーナーシェフ、アリス・ウォータース氏によって創設され、20余年に及ぶ実績があります。

プログラム

【3つのゴール】
必修教科 + 栄養教育 + 人間形成

子供たちに持続可能な生き方、エコロジーを理解する知性と、自然界と結ぶ情感的な絆を身につけさせるのが目的。

各々の学習目的を融合させたガーデンとキッチンで授業を行う。食べること、いのちのつながりを学校で教えることが求められる現代、画期的な教育モデルとして注目されている。<エディブル・スクールヤード・ジャパン HPより抜粋>

ポートランドのコミュニティカレッジ

コミュニティカレッジ

コミュニティカレッジはアメリカの各地にあり、年齢関係なく入学することができる地域住民のために作られた大学です。長い人生の中で学びたくなったらいつでも学び始めることができるシステムが良いですよね。

できるだけ安価に大学教育と職業訓練を提供することが役割。今では留学生も多く日本人もたくさん在籍しています。今回の通訳ヘルプも日本からの留学生が引き受けてくれました。

コミュニティカレッジのラーニング・ガーデン

pcc websiteより

ポートランド・コミュニティカレッジの複数あるキャンパスの中で、ラーニングガーデンがあるのは、Rock Creek Campus。

ラーニングガーデン責任者

このガーデンの管理を任されていたのは、コミュニティカレッジに所属するエレンさん。マスターガーデナーです。

彼女の専門は行動心理学。その研究の一環として、このガーデンに携わっているそうです。面白い!

菜園エリア

菜園エリアは畝を立てているスペースとレイズドベッドがあって、いろいろ試している状態とのこと。キレイに管理されています。

レイズドベッドの間はウッドチップが敷き詰められていて雑草が生えにくく、美しい。

果樹エリア

果樹の根元にはコンパニオンプランツとしてハーブが植えられていました。ブルーベリー・リンゴ・クワ・イチジク・チェリーなど多種類の果樹が育てられています。

コンポスト

もちろんコンポストもあります。

カレッジの食堂から出る残渣が入れられます。高さ20センチ程度の枠で高さが低く、面積の広いコンポスト。色んな虫がいて、虫達が分解してくれて肥料になるという循環が見えやすい形状

動物エリア

馬や羊も飼われていて排泄物は肥料にされます。

羊さんは毛も利用されます。

カレッジのクラスの中で、授業で使われます。実践的な授業で面白そうです!

養蜂

「私たちの食べ物と花の受粉に忙しい蜜蜂です」 と書かれたサイン。蜂がいないと野菜も育たない、とても大切な存在。

ラーニングガーデンの継続方法

作業道具がとてもキレイに整頓されていました。道具は全てガーデンに揃っています。

これだけ広い場所を良い状態に保つには、かなりの作業量が必要になります。植物の手入れや動物のお世話は誰がしているの?コミュニティカレッジが人を雇っているの?そんな疑問が湧きます。

作業をする人

エレンはここの責任者ですが、彼女の仕事はガーデン全体の管理。日常の手入れなどの作業は、学生達と地域住民のみなさんが担っています。

【2種類の学生】
・作業をすると単位を獲得できる学生
・単位とは関係ないボランティアの学生

報酬

コミュニティガーデン

ボランティア参加は作業した時間をノートに記録。inとoutの時間を記すようになっていました。
1時間5ドルで換算されますが、現金ではなく収穫物で支払われます。

ガーデン立ち上げ初期

ヤードを作り始めた当初まだ収穫の無かった頃は、近くにオフィスがある企業「ヒューレット・パッカード」と提携して、早期退職社員達がボランティアに来ていたそうです。

報酬を支払うのは「ヒューレット・パッカード」。地域の企業とも組めるのはコミュニティカレッジの強みですね。

収穫物のゆくえ

収穫した野菜や果実は学生食堂で使われたり、定期的に開催される「ファームスタンド」で販売されます。

地域の人たちが購入してくれた売上は、ガーデンの貴重な収入源。ボランティア参加者は報酬分の野菜や果物をもらいます。

まとめ

ガーデンの入り口にあったインフォメーション用の場所。

これもボランティア達と作ったそうです。土壁と木と金属屋根、土に還る素材で作られているのがポートランドらしいです。

Ellen, thank you for guiding us!

ヨーロッパの市民農園もいくつか訪問しています。ドイツのクラインガルテンストックホルムのコロニーガーデンヘルシンキのコミュニティーガーデンもそれぞれの面白さがありました。自然と共に暮らす時間を大切にしていることが共通していると思います。

2018年5月訪問