【 海外の旅 】庭園

ストックホルムの市民農園 コロニーガーデンは都会人のオアシス【訪問記】

ストックホルムコロニーガーデン【 海外の旅 】

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ストックホルムにコロニーガーデンが生まれたのは1906年

ストックホルムの貧困問題に関する事業に従事していた看護師 アンナ・リンドハーゲン が、コペンハーゲンで貧困層の住民に市民農園として小さな土地を貸していのを見たのがスタートでした。

北欧のライフスタイルというと、寒くて暗くて長い冬を乗り切る工夫として発展したインテリアとか、夏は自然豊かなサマーハウスのアナログ環境で過ごす時間とか、ちょっと憧れるイメージがありますが、みんながサマーハウスを持っているわけではないのです。そりゃ、そうですよ。

都会に住む庶民の味方コロニーガーデン。ストックホルムのビルに囲まれたコロニーガーデンを散策してきたのでコロニーのルールと共にご紹介します。

コロニーガーデンってなに?

都会の集合住宅に住む人たちが、休日に滞在して自然に触れ野菜を育てベリーを収穫する。そんな時間を楽しめる場所。自分のエリアに滞在するための小屋も自分達で建てます。

ストックホルムの中心地から少し離れたところに、コロニーガーデンは何ヵ所もあります。中心部から離れると庭付きの戸建住宅が多くなり、コロニーガーデンを必要とする人は少なくなる。ちょうど中間あたりの位置に存在する感じ。

週末ごとに滞在できる距離ですね。

コロニーガーデン持ち主のルール

コロニーガーデンを所有する人をコロニストと呼ぶそうです。コロニストのルールは

・コロニーガーデンの管理に十分な時間をかけられない人はNG
・自分のエリアだけでなく、コロニー全体を良い状態に保つ役割も担うこと
・コロニーと主体的に関わる必要がある
・規則、共同責任、労働、ワーキンググループや役員会の一員になること

コロニストに向かない人

・長期間来れない人(春夏の成長期は庭の手入れに週に何時間も必要)
・別の場所にサマーコテージを持っている人
・休日を楽しむボートを持っている人

維持管理にたくさんの時間をかける必要があるので、他に楽しみがある人はご遠慮ください的です。

それでも持ちたい人が多すぎて、常に順番待ち状態。その待ち時間は20年以上になることも。持てたら超ラッキーってことですね。

Eriksdalslunden(エリクスダルスランデン)の仕組み

https://www.eriksdalslunden.se/より

今回訪問した市民農園「エリクスダルスランデン」は、ストックホルム市庁舎から電車で15分くらい、自転車でも20分くらいのところにあります。

【コロニーに申し込む条件】
・18歳以上であること
・ストックホルムの中で指定された地域に住んでいること

コロニーガーデンの所有権は譲渡や相続はできません。法人の申し込みもできません。

すぐに所有することは出来ず順番待ちになります。
現在900人以上が登録していて、待ち時間は20年以上になることも

そして順番待ちもタダじゃない!

【順番待ちの登録に必要な費用】
・新規登録費用が150クローネ(¥2,000程) 
・2年目からは100クローネ(¥1,400程)

めでたく手にしてからの費用は年間5万円程度で、所有期間は最長25年。この安さが人気の理由ですよね。

Eriksdalslunden(エリクスダルスランデン)の散策

訪問したのは11月。日照時間が短く寒い季節です。この季節はコロニーに滞在する人もなく、朝食後に散歩したのですが、ひっそりしていました。

小屋の形も色も様々で庭の様子もいろいろです。でもエリアを囲う柵は統一されていて、全体の雰囲気がすっきりまとまっているのが印象的でした。

治安に関して問題になっているようで、鍵はしっかりしたものにしてとか、小屋の中に貴重品は置かないでとか、みんなの滞在が少なくなると治安が悪くなるよとか、注意喚起がされていました。

個人エリアの柵の中以外は誰でも入って散策する事ができます。自分のエリアが無くても楽しむことは可能で、この日も犬の散歩をしている人に出会いました。

公園が隣接していたり公園の中にあることが多いので、誰でも入りやすい雰囲気もあります。

冬は寂しい雰囲気ですが春から秋の緑のある季節なら、もっと楽しめると思います。でも雪景色のシンッとした空気感もとっても良かったのでオススメです。

ヘルシンキのコロニーガーデンドイツのクラインガルテンの訪問記も合わせてどうぞ。

2016年11月訪問