運河が街を縫うように流れ、車の代わりに船が人々を運ぶ。そんな夢のような景色が広がるのが、イタリア北東部の都市「ヴェネツィア(Venezia)」
中世からの壮麗な建築、細い路地にかかる無数の橋、そしてゴンドラの優雅な水上散歩。街全体がユネスコ世界遺産に登録されていて、まるで時が止まったかのような美しさです。
- サン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)やドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)などの歴史的名所
- 絵画のような運河沿いの街並みとゴンドラクルーズ
- ムラーノ島のガラス工芸や、カラフルな家並みのブラーノ島
- 新鮮なシーフード料理と地元ワインが堪能できるグルメの街
私たちは中心部から少し離れたリド島(Lido di Venezia)に宿泊し、ローカルな雰囲気を感じつつ、本島の観光地を楽しみました。
そんなヴェネツィアでの実体験をもとに、2日間のおすすめモデルコースを紹介します。
- ヴェネツィア旅行の基本情報と準備
- ヴェネツィアのホテル選び失敗しないためのヒント
- 【1日目】ヴェネツィア本島を歩き尽くすモデルコース
- 【2日目】リド島を自転車で1周!自然と海の絶景を満喫
- リド島のグルメ
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
ヴェネツィア旅行の基本情報と準備

- お勧めシーズン:春〜初夏や秋がおすすめ(夏は特に混雑します)
- 服装の注意点:教会では露出を控えめに
- 交通パス:ヴァポレット(船)+バス共通の72時間パスが便利!(ACTV社)
- 値段:約€40
! 事前に購入で大きな荷物を持ってウロウロするストレスがフリーに !
ヴェネツィアのホテル選び失敗しないためのヒント

ヴェネツィアのホテルはエリアごとに特徴がまったく違います。目的やスタイルに合った宿泊地を選ぶことが、快適な旅のカギになります!
本島(ヴェネツィア歴史地区)に泊まるなら
サン・マルコ広場周辺(San Marco)
- メリット:観光名所の中心/ゴンドラ・美術館・ショッピング徒歩圏内
- デメリット:価格が高め/混雑多め
高級ホテルや老舗ホテルが多く「ハネムーン・記念旅行」向け
リアルト橋周辺(Rialto)
- メリット:中心地+交通の便◎/ローカル市場も魅力
- デメリット:騒がしいこともある
コスパ良く本島ステイを楽しみたい人におすすめ!
ドルソドゥーロ地区(Dorsoduro)
- メリット:静か&芸術的/アカデミア美術館近く
- デメリット:観光名所へのアクセスは少し歩く
アートや落ち着いた雰囲気が好きな人にぴったり
リド島(Lido di Venezia)に泊まるなら

実際に私たちが宿泊したのはリド島(Lido)。本島からヴァポレット(船)で約15分という距離ながら、静かでリゾート感のある雰囲気!
・ビーチが近く、夏は泳げる
・サイクリングやのんびり滞在が可能
・ホテル代が本島よりリーズナブル
・72時間パスがあればアクセスも楽らく!
落ち着いていて治安も良く、ビーチや自然も楽しめるエリア。ゆったり滞在したい人にぴったりです。
宿泊ホテル情報|ホテル・ソリッソ(Hotel Sorriso)

【ホテル・ソリッソ(Hotel Sorriso)】
住所:Via Colombo 22, 30126 Lido di Venezia, Italia
宿泊費:€125/1部屋・1泊(Budget Double or Twin Room)


- 部屋は広くてベランダがある
- 窓からの景色は開けていて海も見える!!
- 静か
- バス停から近い(気軽に出かけられる)
- リーズナブル(本島と比べると)
- 朝食付き(シンプルだけど)

いいとこだらけで、リド島のホテルにして良かった!
リド島で過ごした1日のレポは後半で!
【1日目】ヴェネツィア本島を歩き尽くすモデルコース

10:00 リド島からヴァポレットで本島へ

リド島「Lido S.M.E.」から本島「S. Marco-San Zaccaria」までヴァポレット(船)で約15分。ため息橋近くに到着。船は20分間隔くらいであります。
10:30 サン・マルコ広場(Piazza San Marco)周辺散策

かつてナポレオンはこの広場を「ヨーロッパの客間」と呼んだとか。それほど、優雅で文化的な空間として知られていた場所。
【広場を囲む主な建造物】
- サン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)
- ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)
- 時計塔(Torre dell’Orologio)
- カフェ・フローリアン(Caffè Florian)
ため息橋(Ponte dei Sospiri)

ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)と旧牢獄(Prigioni Nuove)をつなぐ、真っ白な石造りの小さな橋。歴史ある橋で囚人が最後に見る景色だったことからこの名になったそう。
船を降りて広場に向かうと最初に渡るパリャ橋から見えます。
ステラ・スーベニール・ディ・ベルトリーニ・シモーネ(Stella Souvenir di Bertolini Simone)

仮面や陶器製品、絵画を販売する地元職人によるお土産店が並ぶ「ステラ・スーベニール・ディ・ベルトリーニ・シモーネ」
ヴェネツィア伝統の仮面マスケラ(Maschere)は、中世からルネサンス期にかけて貴族も庶民も仮面をつけることで、身分を超えた自由な交流が生まれたのだとか。
仮面舞踏会ってほんとにあったんですね、興味深い。歴史を学んで衣装を体験できるツアーも楽しそう!
プロクラティエ・ヴェッキエ(Procuratie Vecchie)

整列したアーチと回廊の連続性が美しい建築。サン・マルコ広場の北側を端から端まで囲むように建っていて迫力あります。
カフェ・フローリアン(Caffè Florian)

1720年創業のヨーロッパ最古のカフェのひとつ。18世紀の装飾そのままのサロンが、とっても素敵。

お値段高めだけど貴重な経験にはなりそう。屋外で演奏されるクラシック生バンドの音色はサン・マルコ広場に広がり雰囲気を高めてくれます。
12:00 ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)

ヴェネツィアの元首「ドージェ(Doge)」の公邸で、かつての政治・司法・行政の中心地だった「ドゥカーレ宮殿」。ため息橋(Ponte dei Sospiri)内部を渡ることができます。

豪華な装飾が続く宮殿内からため息橋を渡ると、そこは牢獄。そのギャップの大きさもあってか、なんとなく囚人たちの気配を感じる雰囲気が残っていました。

【ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)】
営業時間:9:00〜18:00(最終入場17:00)
料金:€30(事前予約推奨)
所要時間:約45分
↓優先入場できるチケットの予約はGet your guideが便利↓
13:00 サン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)

サン・マルコ広場の正面に堂々とそびえ、天井ドームやファサードを彩る金色モザイクがひときわ目を引くヴェネツィアを象徴する壮麗なビザンティン様式の大聖堂。

テラスから見下ろすサン・マルコ広場も良い景色でいた!「博物館・テラス付きチケット」をお勧めします!

私たちは待ち時間を節約できるスキップチケットが売り切れていて、英語ツアーガイドに参加することになってしまいました。英語は全然わからないのに・・・予約は早めにしましょう!!
【サン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)】
営業時間:9:30〜17:15(聖堂)
料金:€20(博物館・テラス)
公式予約サイト:https://basilicasanmarco.skiperformance.com/en/store#/en/buy?skugroup_id=2524
博物館とテラス見学が付かないチケットもあります。公式サイトを確認してみてくださいね。
英語サイトが苦手な方はGet yourGuaideから日本語で予約できます。イヤホンガイドに日本語はありません。
↓テラス入場できるチケットがお勧め!↓
14:30 軽食タイム|Hostelry of the Flying Dutchman

歩き疲れたので休憩。道路に席を展開しているお店が入りやすい。ふらっと立ち寄りました。

カンパリソーダとローカルビール。小腹を満たすブルスケッタと共に。
【Hostelry of the Flying Dutchman】
住所:C.po S. Lio, 5658, 30122 Venezia VE, イタリア
午後の散策ルート

街を散策すると素敵な景色にたくさん出会えるヴェネツィア。写真を撮りたいところばかりです!
リアルト橋(Ponte di Rialto)

ヴェネツィア最古にして最も有名な橋「リアルト橋(Ponte di Rialto)」。橋の両サイドはお店が並び貴金属店が多い。16世紀からヴェネツィア経済の中心だった名残かな。
地元ブランドや職人による手作りジュエリーも多く、ヴェネツィアングラスを使った一点物のアクセサリーにも出会えます。

個人的にはアクセサリーよりも橋の上からの景色が素晴らしく、記憶に残りました。
サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂

ティツィアーノの傑作《聖母被昇天》(祭壇画)を見ることができる、静かで荘厳な空気に包まれます。
営業時間:月〜土 9:00~18:00/日・祝 13:00~18:00(最終入場17:30)
入場料:5ユーロ
所要時間:30分程度
カナル・グランデ(Canal Grande)

ヴェネツィア本島を大きくS字に貫く、街の“メインストリート”の大運河。
運河沿いには、かつての貴族の邸宅や歴史的建物が立ち並び、建築様式はゴシック・ルネサンス・バロックが混在し、カナル・グランデにかかる橋からの眺めは本当に素敵。
トレットゥッタ・グラス・ヴェネツィア(Toletta Glass Venezia)

ヴェネツィアらしい伝統と職人技を感じられるセンスの良いお店。ムラーノガラス(Murano glass)の小さなコップを購入。お土産屋さんが並ぶ街の中で唯一お買い物。
素敵な女性店主と全く同じストライプのリネンシャツ(UNIQLO)を着ていて、ちょっと盛り上がりました(笑)
他のお土産屋さんとは、ちょっと違う素敵なglassが並んでいます。
アッカデーミア橋(Ponte dell’Accademia)

カナル・グランデに掛かる木造のアッカデーミア橋は、ヴェネツィアで最も絵になる絶景スポットのひとつ。
橋自体は躯体に鉄骨が使われていて全て木造をイメージしていた私は、ちょっとがっかり。

でも、橋の上から眺めるサルーテ教会と運河の風景は、水の都を感じさせる景色でした。
16:30 ゴンドラ体験(Gondola Ride)

ヴェネツィア市公認のライセンスを持つゴンドリエーレ(「ゴンドラ」を操縦する船頭のこと)が運航するゴンドラに乗船。運賃や運航ルールは市が定める統一価格表に基づいているので安心です。

予約制ではないので、時間帯や繁忙期には長時間並ぶことも。私たちは10分ほど待ちました。
【GONDOLA SERVICE】
料金:9:00〜19:00 €90 (1艘あたり)/ 約30分(最大5人まで)
19:00〜翌4:00 €110(1艘あたり) / 約30分(最大5人まで)
注意事項:支払いは現金のみ

ルートはゴンドリエーレにお任せで、どの運河を通るかは様々。狭いところからカナル・グランデまで徒歩では見れない景色をたくさん見ることができます。

ヴェネツィアに行ったなら絶対に外せないゴンドラクルーズ。観光シーズンの訪問なら予約できるゴンドラを選んで待ち時間の節約もありですね。
18:00 ディナー|リストランテ・グラン・ヴィアーレ(リド島)Ristorante Gran Viale

リド島のヴァポレットやバスの停留所からすぐの場所にある人気店。
ヴェネツィア伝統のシーフードを中心とする料理が豊富で、地元の海産物と旬の食材を活かしたメニューが充実しています。

まずは海鮮づくしの前菜とプロセッコ(スパークリングワイン)で乾杯!
イカ墨のリゾットを食べたかったのですが、今は提供していないとの事で海鮮のリゾットにしました。美味しくないわけがない!海鮮の風味が凝縮していました!

海鮮グリルの盛り合わせ。メニューリストに無いものを注文してしまい、シェフに相談してくれてこうなりました。贅沢!!
白ワイン(グラス)と共にいただきました。

雰囲気も良いし、スタッフもみんなフレンドリーで親切。楽しい食事になりました。
人気店ですがオープン直後の時間を狙って、問題なく席を用意してもらえました。
【Ristorante Gran Viale】
住所: Viale S. Maria Elisabetta, 10, 30126 Venezia Lido VE, Italia
お会計: 料理とワイン4杯で €
リド島の夕日

ヴェネツィア本島と比べると、本当に静かでのんびりできるリド島。
ホテル近くの海辺で、沈みゆく夕日を眺める時間も心地よかったです。
【2日目】リド島を自転車で1周!自然と海の絶景を満喫
9:30 自転車レンタル|Lido on Bike

リド島のヴァポレットやバスの停留所からも近い場所にあるレンタル自転車屋さん。
料金:2時間=€7・4時間=€11・4時間以上=€12
注意事項:パスポート持参必須
この値段設定なら1日借りてゆっくりしたいですね。リド島1週するなら1日レンタルがおすすめです!

二人で乗るDOUBLE BIKESや、5人+子供2人で乗れるFAMIRY BIKESなど、ちょっと変わり種の自転車も楽しそう!
サイクリングルート

Lido on Bikeを出発して島のメイン道路を南西へ。リド島一周サイクリングのスタートです!
海沿いをのんびり

6キロほど走ると海沿いに出ます。景色を眺めながら、とっても気持ち良いサイクリング!
フェリーターミナル|Alberoni Rocchetta

隣の島「サンタ・マリア・デル・マーレ(Santa Maria del Mare)」へのフェリーが出ているターミナル。1日3便程度なのでフェリーに出会える確率は低い。
海沿いの道なき道

フェリーターミナルから少し進むと、道路がなくなって徒歩か自転車なら通れる石の道になります。両サイドが海でバランスを崩すと落ちる。不安なら他のルートを選択してください。
そんな危うさを楽しんでしまう私たちですが、自転車を押して歩いた区間も。
小さな貝殻の海に

海水浴場からは少し離れているので静かな海でした。足元を見ると砂ではなく小さな貝で埋め尽くされていて、初めての景色に感動でした。

アルベローニ灯台の堤防(Alberoni lighthouse dam)

リド島の南東の端から伸びる堤防。堤防の先端には灯台がある。

途中、石敷きが凸凹しているところもあるけど灯台まで自転車で辿り着けます。海の真ん中を自転車で走るなんて初めてで楽しかったです!
マラモッコの素敵な橋|Ponte di Borgo

灯台からは途中まで、来た道を戻ります。東側の海近くを走ろうとすると、砂浜の道で自転車では厳しかったです。脚力あると大丈夫かも!

カラフルで素敵な街並みのマラモッコエリアを散策。運河にかかる「Ponte di Borgo」も立ち寄る価値あアリです。
海沿いの堤防を走る

マラモッコから東側の海沿いに出ると、コンクリートの堤防があるので走りやすい。爽快で気持ちいいー!
プライベートコテージが並ぶビーチ

夏には多くの人がビーチを楽しみに訪問するのが想像できるほど、たくさん並ぶコテージ。これらは全て有料のビーチで、高級ホテル専用のプライベートビーチも。

リド島では毎年「ヴェネツィア映画祭」が開催されている。会場となるホテル「Hotel Excelsior Venice|ホテル エクセルシオール ヴェニス」のビーチは、流石にラグジュアリーな雰囲気が漂っていました。
13:30 ランチ|Chiosco da Gianni e Marco

リド島一周の4分の3くらい走ったところでランチタイム。もうすぐリド島の空港に到着する、ほんの少し手前。

ヴェネツィアの人々が愛するスパークリングワイン「プロセッコ」。ポテトチップスが付いてきました。

ブルスケッタのクワトロフォルマッジをオーダーしたら、想像外のビッグサイズ! 熱々でピザ的で、とっても美味しい!気に入りました!
スタッフもフレンドリー。気軽に立ち寄れるカフェです。
【Chiosco da Gianni e Marco】
住所: Piazzale Rava’, s.n, 30126 Lido VE, イタリア
お会計: ブルスケッタとプロセッコ €
14:30 リド空港(Lido Airport)

「リド島の北端にある小さな空港『ジョヴァンニ・ニチェッリ空港』。商業便はありませんが小型飛行機が離着陸できます。

なんかオシャレな空間。

キーホルダーやTシャツなどのグッズの販売も種類は少ないけどある。シンプルなTシャツは気に入って旅行途中から着ています。
空港からレンタルバイク屋さんまでは2キロほど。15時ごろに自転車を返却してリド島一周は終了です。
18:00 夕食|Ristorante Pizzeria Elcason

ホテルから徒歩数分のところにあったRistorante Pizzeria El Cason(リストランテ・ピッツェリア・エル・カソン)
ピザの種類が多く、イタリアン、肉料理中心の地元寄りのカジュアルレストラン。

ピザはボリュームがあって、生地も美味しい!二人で1枚オーダーしました。
1杯目のドリンクはプロセッコ。

ローストビーフ的で軽くて食べやすいお肉料理。こちらは赤ワインでいただきました!
【Ristorante Pizzeria Elcason】
住所: Via Sandro Gallo, 173/i, 30126 Lido VE, イタリア
お会計: 料理とワイン4杯で €
リド島のグルメ

いつも地元の人で賑わっている小さなBar。生ビールのタップとプロセッコのタップが並んでいるのがヴェネツィアっぽい。

ドリンク1杯で気軽に立ち寄れます。
【Chiosco ai soci】
住所:Via Sandro Gallo, 84L, 30126 Lido VE, イタリア

とっても行きたかったけど、満席や休日でご縁のなかったリストランテ。とっても評判も良くて心残りなので紹介しておきますね。
【Ristorante Da Cri Cri e Tendina】
住所:Via Sandro Gallo, 159/A, 30126 Venezia VE, イタリア
よくある質問(FAQ)
Q. 観光に必要な日数は?
最低2日、3〜4日あるとムラーノ島やブラーノ島にも行けます。私たちは3泊でリド島に滞在しました。
Q. 子連れでも楽しめる?
リド島は特に子連れに人気。本当より人が少なく安全。家族で乗れるレンタル自転車もある。
Q. 交通パスは必要?
絶対におすすめ!1回のヴァポレット乗船が高いため、72時間パスがコスパ最強。
まとめ
リド島に泊まりながら、ヴェネツィアの魅力を本島と周辺でしっかり堪能した2日間。アクティブにもロマンチックにも過ごせるこの街は、一度は訪れたい憧れの旅先です。思い出に残る最高の旅行になりますよ!