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ル・マン24時間レース現地観戦記|チケットの買い方・行き方・宿まで初心者向けに解説【2025年参戦】

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「ル・マン24時間レース」――クルマ好きなら一度は聞いたことがある、あの伝説のレースです。

1980年代からこのレースに憧れ続けてきた私(みつ)が、2025年6月、ついに夫婦でフランス・ル・マンに乗り込み、現地で1週間かけて観戦してきました。

先に結論を言います。ル・マン観戦は、F1観戦よりずっと手が届きます。チケットは2人で412€(1人あたり約3.3万円)、パリからTGVでわずか54分。ただし――勝負はレースの7ヶ月前、前年11月に始まっています。チケットも宿も、動き出しが遅いと本当に取れません。

この記事では、チケット争奪戦のリアルから、行き方、即満室になる宿の確保術、そして現地で見つけた「これぞル・マン」という楽しみ方まで、実体験ベースで全部書きます。

ル・マン24時間レースのサーキット外壁「24h LE MANS」ロゴの前に立つ筆者
憧れの「24h LE MANS」の文字の前で。ここに立つまで約40年かかりました

ル・マン24時間観戦の基本情報

項目内容
開催時期毎年6月中旬(決勝は土曜16:00〜日曜16:00)
場所フランス・ル・マン(サルト・サーキット)
チケット1週間入場券118€+週末指定席88€=206€/人(2025年・私たちの実績)
チケット発売前年11月上旬(ACO会員先行→数日後に一般発売)
行き方パリ・モンパルナスからTGVで54分(46€)
宿市内ホテルはレース週に高騰・即満室。半年以上前に確保必須
言語フランス語圏だが場内は英語表記多め。英語で困る場面は少ない

ル・マン24時間レースとは|世界三大レースのひとつ

ル・マン24時間は、1923年から続く世界最古級の耐久レース。モナコGP・インディ500と並ぶ「世界三大レース」のひとつで、同じクルマを24時間走らせ続け、最も長い距離を走ったチームが勝つという、シンプルゆえに過酷な戦いです。

日本のファンにとっても縁が深いレースです。マツダの1991年優勝、トヨタの5連覇(2018〜2022年)、そして近年はフェラーリ・ポルシェ・トヨタら名門が最高峰ハイパーカークラスで真っ向勝負する黄金時代。私が観戦した2025年はフェラーリが3連覇を達成し、ポルシェが2クラスで表彰台に絡む激戦でした。

ル・マンのサーキット場内にあるTOYOTA GAZOO Racingのホスピタリティブース
場内のTOYOTA GAZOO Racingブース。壁面には日の丸と歴代の参戦年がずらり

チケットの買い方 | 一般発売は「争奪戦」でした

チケットの種類

ル・マンのチケットは大きく2階建てです。

  • General Admission(入場券): サーキットとファンゾーンに入れる基本チケット。1週間有効のものと週末のみのものがある。博物館の入場も込み
  • Grandstand(指定席スタンド): 入場券に追加で買う座席指定券。スタンドの場所によって値段が変わる

私たちは「Full Week入場券(118€/人)+週末の指定席スタンド(88€/人)」の組み合わせで、2人で計412€。指定席はT03スタンド(シャペル)のQ列が確保できました。

他にプレミア・チケットとして
・Pitwalk ticket(パドックパス)もあります、Full Week入場券+指定席+パドックパスで1人およそ1,000€となります(指定席スタンドの場所により960~1,020€)

私たちは入手できませんでしたが、このチケットなしでもTest Dayのうち1日だけパドックを歩けるイベントが用意されていました

購入はACO公式チケットサイトから

チケットは主催者ACO(フランス西部自動車クラブ)の公式チケットサイトで買います。流れはこうです。

  • 前年11月上旬: ACO会員向け先行販売スタート
  • その数日後: 一般発売スタート
  • 席種を選んでオンライン決済 → チケットはアプリ表示(印刷不可のスマホチケット)

私たちが購入したのは2024年11月13日、つまりレースの7ヶ月前です。これでも「早すぎ」ではなく、ほぼギリギリでした

【体験談】非会員の一般発売は、会員に良席を取られた後の争奪戦

私は非会員として一般発売の初日に挑んだのですが、これが想像以上の激戦。人気のパドックパスは当然のように売り切れ、スタンド席はACO会員の先行販売で押さえられた後で、残った席を世界中のファンで取り合う状態です。「もう取れないかもしれない」という危機感を何度も味わいながら、なんとか席を確保しました。

これから行く人への最大のアドバイス: 本気で観たい席があるなら、ACO会員(執筆時点で年79€)になって先行販売に参加してください。年会費は決して安くありませんが、数日早くチケットにアクセスできる価値は、争奪戦を経験した身としては絶大です。一生に一度の観戦なら、ここをケチってはいけません。

ル・マンへの行き方|TGVで54分、でも油断禁物

【失敗談】CDG空港直結のTGVは1ヶ月前では取れない

実は理想のルートは、シャルル・ド・ゴール空港駅からル・マンへの直行TGVです。パリ市内に出ることなく、空港から最速約1時間40分でル・マンに着けます。

ただしこの直行便、1日5本程度しかない希少ルート。レース週は世界中のファンが狙うため競争率が非常に高く、私は1ヶ月前に予約を試みて敗北しました。パリ観光の予定がない人ほど、このルートをチケット発売と同時に押さえることをおすすめします。

実際のルート: パリ・モンパルナス→ル・マン 54分

直行が取れなかった私たちは、パリ市内のモンパルナス駅経由に。
ただしシャルル・ド・ゴール空港駅からモンパルナス駅には直通列車は無いため、在来線のRERからメトロの乗り換えが必要、この乗り換えがですが駅にエレベータ・エスカレータが無いなどの不便な事は覚悟してください
モンパルナス駅に無事到着すればTGV INOUIで54分・2等46€/人でした。SNCF Connect(フランス国鉄の公式アプリ)で日本からでも簡単に買えます。

  • モンパルナス発のル・マン行きは本数が多く、こちらは比較的取りやすい
  • 荷物制限あり(スーツケース2個+手荷物1個/人)。ラベル付けが義務なのでご注意を

ル・マン市内の移動はトラムが便利 | チケット選びにコツあり

ル・マン市内はSetram(セトラム)のトラム・バス網が優秀で、駅・市街地・サーキットを結んでくれます。予約不要、レース週の混雑も「満員電車」程度で済みます。

ル・マン駅前に停車するオレンジ色のトラム
ル・マン駅前のトラム。オレンジの車体がかわいい。サーキット方面へもこれ1本
チケット料金(2025年)
1回券1.50€
2回券2.90€
1日券4.20€
10回券13.50€
Le Mans City Pass(72時間乗り放題)10€

ここで実体験からのアドバイスです。

1回券は避けるべし。割高なうえ、いちいち券売機に並ぶ手間が大きすぎます。駅側の券売機は空いていますが、サーキット側の券売機は超混雑の地獄絵。ここをスキップして直接トラムに乗れるだけでも、まとめ買いの元は取れます。

  • 2〜3日滞在で旧市街観光もするなら: City Pass(72時間10€)が最強コスパ
  • 私たちのように長期滞在なら: 10回券。8日間の滞在でちょうど使い切りました
24時間レース特別塗装の編成もいます
精悍な24時間レース特別塗装の編成もいます

レースウィークの過ごし方 |「決勝だけ」じゃもったいない

ル・マンのすごさは、決勝の24時間だけではありません。私たちは6/9(月)から6/16(月)まで1週間滞在しましたが、レースウィークは街全体がお祭りです。

日程(2025年)イベント
月〜火サーキット下見・ファンビレッジ散策(まだ空いている)
水〜木予選・ハイパーポール(夜間走行あり)
ドライバーズパレード(市街地・無料)・博物館見学
土 16:00決勝スタート
日 16:00ゴール・表彰式

平日のサーキットは「近すぎる」距離感が楽しい

決勝前の平日に場内をぶらぶら歩くのが、実はすごく楽しい。各チームのホスピタリティ棟やグッズショップ、ファンゾーンをゆっくり見て回れます。トヨタ・フェラーリ・ポルシェ・アルピーヌ……名門チームの「基地」が目の前に並ぶ光景は、それだけでごはん3杯いけます。

ル・マンのピットウォークで目の前に見えるポルシェ・ペンスキーの963
ポルシェ・ペンスキーのピット前。963をこの距離で見られるのは、混雑前の平日ならでは

金曜のドライバーズパレードは市街地で無料

金曜夕方、全ドライバーがクラシックカーに乗って旧市街をパレードします。チケット不要・無料で、沿道からドライバーを至近距離で見られる、ファンにはたまらないイベント。2025年で第29回という伝統行事です。

ル・マン市街地のドライバーズパレードでクラシックカーに乗る出場ドライバー
出場ドライバーがクラシックカーで街を巡る。チーム名のボードで「推し」を探せます
ドライバーズパレードを待つル・マン市街の観客の熱気
沿道はこの熱気。地元の人も観光客も一緒に盛り上がります

24時間レース博物館はチケットで入場無料

サーキット正門近くのル・マン24時間博物館には、歴代優勝マシンやトロフィーがずらり。うれしいことに、レースウィーク中はレースチケット(Full Week入場券)で入館無料です(チケット券面にも「Circuit and Musée Entrance」と明記されています)。

1980年代からのファンの私で滞在は小一時間ほど。ライトに見るなら30分でも十分楽しめます。

ル・マン24時間博物館に展示された歴代優勝トロフィー
100周年記念トロフィーなど、歴史の重みがすごい展示群
ル・マン24時間博物館に展示された1991年優勝車マツダ787B
1991年の総合優勝車、マツダ787B。日本車初の優勝マシンに会えるのはここならでは

決勝スタート | 16時、24時間の幕開け

土曜16:00の決勝スタートに向けて、昼過ぎからスタンドに人が集まり始めます。場内には飲食ブースがとにかく豊富で、みんなビール片手にスタートセレモニーを待つ、いいムード。

そして意外だった発見がこれ。スタート直後、スタンドからスッと人が減るんです。そう、これは24時間レース。観客も「ずっと張り付いて見るものではない」ことをよく分かっていて、それぞれのペースで飲み、食べ、仮眠し、また戻ってくる。このゆるさと祝祭感の共存が、ル・マンの空気なんだと実感しました。

ル・マンのコース脇で観戦する観客たち
コース脇の観戦エリア。金網越しにマシンが目の前を駆け抜けます

【一番の推し】公道区間を無料シャトルで巡る「ル・マンらしさ」

そして、私がこの記事で一番伝えたいのがこれです。

ル・マンのコースは全長約13.6km。その大半は、普段は一般車が走る公道です(レース時だけ閉鎖)。つまりミュルサンヌやアルナージュといった伝説のコーナーは、街道の途中にあるんです。

この「サーキットらしくなさ」を体感するのに最適なのが、場内無料シャトルバス(予約不要)。ルート3・4・5を乗り継ぐと、Parking Ouest ⇄ アルナージュ ⇄ ミュルサンヌ ⇄ Porte Estと、名物コーナーを無料で巡れます。運行は水〜金が9:00〜24:30、そして決勝中は土曜9:00から日曜17:00までぶっ通しで運行――さすが24時間レースの街。

ル・マンの無料シャトルバスのルート3とルート4の乗り場標識
無料シャトルの乗り場標識。ルート3はアルナージュ、ルート4はミュルサンヌ方面へ

コーナー近くの売店でビールを買って、木漏れ日の下でマシンを待つ。爆音とともにハイパーカーが公道のコーナーに飛び込んでくる。「これぞル・マン」という時間でした。

ル・マンの公道区間のコースとガードレール
普段は一般道の区間。街路樹の並びがサーキットっぽくないのが逆にたまらない

ゴールの瞬間 | 観客がコースに立てる、特別な時間

日曜、ゴールが近づいたら早めにスタンド方面へ戻るのがおすすめ。私たちは午前中にもう一度シャトルでコースを1周巡ってから、ゴールシーンを観戦しました。

そしてル・マン観戦のクライマックスがゴール後です。観客がコースを渡って、ピットと表彰台の目の前まで入れるんです。24時間を走りきったマシンと、勝者を讃える大歓声。この余韻に浸る時間は、テレビ観戦では絶対に味わえません。

ゴール後は表彰台の至近距離まで歩いて行けます
ゴール後は表彰台の至近距離まで歩いて行けます

2025年の優勝は#83フェラーリ(R.クビサ/イエ・イーフェイ/P.ハンソン)。2位に#6ポルシェが14秒差まで迫る劇的な結末で、LMGT3クラスもポルシェが2年連続優勝。両クラスの表彰台にポルシェが絡む、ポルシェファンにもたまらない年でした。

観戦のリアル|持ち物と現地事情

1週間観戦してみて分かった、リアルなあれこれです。

持ち物

  • ツバの大きい帽子・タオル: 6月のフランスは日差しが強烈。観戦エリアは日陰が限られます
  • 水筒: 場内・市街とも飲み物の購入には困りませんが、節約したいなら持参もアリ
  • 耳栓・イヤーマフ: 音に敏感な人・お子様連れは念のため

支払いはほぼカード。Wiseが大活躍

フランスは日本以上のキャッシュレス社会で、場内の売店も屋台もほぼカード決済。私たちはマルチカレンシーカードのWiseで通しましたが、両替の手間もレート損もなく、必須級の持ち物でした。

→ Wiseの使い方・手数料は別記事で詳しく書いています:

食事は困らない、むしろ楽しい

場内の飲食ブースは数・種類とも充実。フランスらしくステーキフリット(ステーキ+山盛りポテト)でスタミナをつけつつ、ビールで乾杯するのが定番です。

フランスの定番ステーキフリットとローカルハムとパテ。観戦の腹ごしらえに

宿の確保が最難関 |「6ヶ月前解放と同時に満室」の世界

正直に言うと、ル・マン観戦の最大の難所はチケットではなく宿です。

争奪戦は分かりきっていたので半年前から予約サイトに張り付いていたのですが、Booking.comなど大手の「6ヶ月前解放」の宿は、解放と同時に即満室が頻発。予約サイト経由はほぼ機能しませんでした。

そこで私が取った方法が、ホテルの公式サイトを手当たり次第に直接開いて空室を探すこと。予約サイトに在庫を出していなくても、公式サイトには残っていることがあるんです。これでたまたま見つけたのが、メインで5泊した宿でした。

メイン宿: Zenitude Le Mans Novaxis(駅至近・5泊916€)

  • Zenitude Le Mans Novaxis(7 Boulevard Marie Et Alexandre Oyon)
  • ダブルスタジオ・2名・5泊で916€(約183€/泊、返金不可プラン)
  • TGV駅のすぐ近く。キッチン付きの機能的な部屋
ル・マンのアパートホテルZenitude Novaxisのダブルスタジオの室内
5泊したZenitudeの部屋。シンプルですが清潔で、連泊にちょうどいい広さでした

正直な感想をひとつ。私は「駅近」にこだわってこの宿を選んだのですが、住んでみると駅近はあまり意味がありませんでした。ル・マン駅を使うのは往復の2回だけ。それより毎日使うのはトラムです。次に行くなら「市街地にほどよく近く、トラム駅に近い宿」を選びます

Booking.comでこの宿の空室・料金を見る(Zenitude Le Mans Novaxis)

決勝の夜はサーキット徒歩圏のAirbnbへ

そしてもうひとつの宿戦略が、決勝の週末だけサーキット至近のAirbnbに移ること。「サーキットから100m」という個室(2名・2泊$428.44)を借りました。

これが大正解。24時間レースの夜、多くの観客はスタンドやキャンプサイトで仮眠しますが、私たちは深夜に一度宿に戻ってベッドで睡眠を取り、朝すっきりした状態でゴールに臨めました。体力に自信がない人ほど、この「サーキット至近の週末宿」はおすすめです。

まとめ | ル・マン観戦は「前年11月」に始まる

最後に、これから行く人のための逆算カレンダーです。私たちの実績ベースなので、これで戦えます。

時期やること
前年10月観戦を決意。ACO会員登録を検討(先行販売に入るなら必須)
前年11月上旬チケット発売。会員先行→数日後に一般発売。ここが本番(私たちは11/13に確保)
前年11月〜宿も同時に確保(11月中旬に2軒とも予約済みにした)。大手サイト全滅なら公式サイト直打ち
3月前後TGV予約。CDG直行便狙いなら発売直後に(4ヶ月前から発売)
当月Setramは現地でOK。1回券は避けて1日券/City Pass/回数券

「いつか行きたい」と思い続けて約40年。実際に行ってみたル・マンは、レースの迫力はもちろん、街とサーキットが一体になったお祭りの1週間でした。エンジン音が好きな人なら、人生で一度は現地で浴びてほしい。

来年のカレンダーの11月に「ル・マンのチケット発売」と書き込むところから、あなたの観戦は始まります。

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