結婚記念日は、神戸・三宮にある挙式をした神社へお礼参りに行くのが我が家の恒例行事。今年はその足で、車で30分ほどの有馬温泉まで向かい、中の坊瑞苑に泊まってきました。
選んだのは銀泉露天風呂付きの和室。2名で112,500円(1人56,250円)と、決して安くはありません。でも泊まってみて、「この価格帯になると、ここまでしてもらえるのか」と素直に納得した1泊でした。
この記事では、7タイプある風呂付き客室のどれを選ぶか、そして有馬温泉ならではの金泉と銀泉、実際に入り比べてどう違ったかを中心に、写真たっぷりでお伝えします。13歳未満は泊まれない大人だけの宿なので、夫婦ふたりの記念日旅を考えている方の参考になればうれしいです。
中の坊瑞苑の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 宿名 | 有馬温泉 中の坊瑞苑 |
| 泊まった日 | 2026年7月17日(金)〜18日(土)1泊2日 |
| 部屋 | 銀泉露天風呂付 和室1間(10畳+露天風呂) |
| プラン | 【和食レストラン】〜厳選食材・食べ比べ〜 神戸牛と黒毛和牛と淡路産玉葱の陶板焼き会席 |
| 料金 | 2名 112,500円(1人56,250円・税サービス料すべて込み) |
| 予約 | 公式サイト |
| 温泉 | 大浴場は金泉(2つの大浴場が夜間に男女入れ替え)/銀泉は客室の露天風呂と無料の貸切露天風呂 |
| 年齢制限 | 13歳未満は宿泊不可(大人専用) |
| チェックイン/アウト | 14時 / 12時(滞在22時間) |
| アクセス | 三宮駅から車で約30分(駐車場無料)/神戸電鉄 有馬温泉駅から徒歩約4分 |
客室選びが最大の悩みどころ|露天風呂付きは7タイプある
中の坊瑞苑の客室は全部で13タイプ。そのうち露天風呂付きが7タイプあり、しかも部屋によってお湯が金泉か銀泉かで分かれます。ここが最初の悩みどころでした。
| 部屋の露天風呂 | 客室タイプ |
|---|---|
| 金泉・銀泉の両方 | 貴賓室「和光」/貴賓室「槇」「愛宕」 |
| 金泉 | 和モダンデラックス/和室1間 |
| 銀泉 | 貴賓室「瑞雲」/和室1間/洋室ツイン |
私たちが選んだのは「銀泉露天風呂付 和室1間」(和室10畳+露天風呂・65m²)。理由はシンプルで、露天風呂付きの部屋の中では価格が手ごろだったからです。
結論から言うと、この選択で正解でした。「和室1間」と聞いて少しコンパクトな部屋を想像していたのですが、実際には大きなソファのある窓辺のスペースがあり、想像以上に居心地がよかったんです。




【部屋選びのポイント】
「露天風呂付き」の中で迷ったら、まず金泉の風呂付きか、銀泉の風呂付きかを見てください。部屋の露天が銀泉でも、大浴場では金泉にも入れます(後述)。私たちは「部屋は銀泉、金泉は大浴場で」という組み合わせで十分に満足できました。
客室レポート|隠れ家のような銀泉の露天風呂
この部屋のいちばんの魅力が、専用の露天風呂です。


お湯は銀泉。無色透明で、肌ざわりは柔らかくさっぱりしています。有馬の金泉のような主張はないので、長く浸かっていても疲れにくいのがいいところ。結局、滞在中に4回も入ってしまいました(チェックイン後・夕食後・寝る前・朝)。
しかもこの部屋、露天風呂とは別に室内の湯船もあります。

正直に書いておくと、この部屋の露天風呂はかけ流しではありません。温度も自分では調整できない仕様でした(公式サイトの銀泉の表記も「放流・循環併用式、加水あり加温あり」となっています)。とはいえ湯温はちょうどよく、不満に感じる場面はなかったです。「かけ流しかどうか」にこだわる方は、予約前に部屋タイプごとの仕様を確認しておくと安心だと思います。
水まわりとアメニティ



部屋のドリンクは「全部無料」
冷蔵庫を開けて驚いたのがこれ。お茶もビールも、中のドリンクはすべて無料でした。



【本題】金泉と銀泉、どこで入れる? 入り比べてどう違った?
有馬温泉といえば「金泉」と「銀泉」。名前は聞いたことがあっても、何がどう違うのかはピンとこない方も多いのではないでしょうか。私もそうでした。
そして予約前にいちばん知っておきたいのが、「どちらの湯に、どこで入れるのか」です。中の坊瑞苑の場合はこうなっています。
| 入れる場所 | |
|---|---|
| 金泉 | 大浴場(「瑞泉」「爽泉」の2つ。夜間に男女入れ替え)/貸切家族風呂「寿泉」(有料4,400円・要予約) |
| 銀泉 | 客室の露天風呂(銀泉露天付きの客室)/無料の貸切露天風呂 |
つまり大浴場は金泉のみ。銀泉に入りたければ、銀泉露天風呂付きの客室を取るか、無料の貸切露天風呂を使うことになります。ここは公式サイトにも明記されていますが、予約サイトの情報だけを見ていると読み落としやすいポイントです。
私たちは「部屋の露天で銀泉、大浴場で金泉」という組み合わせで、結果的に1泊で両方を体験できました。

2つの大浴場は「同じ金泉」なのに雰囲気がまるで違う
大浴場は「瑞泉」と「爽泉」の2つ。夜間に男女が入れ替わるので、1泊すれば両方に入れます。どちらも金泉なのですが、浴場の雰囲気が驚くほど違いました。
| 爽泉 | 瑞泉 | |
|---|---|---|
| 露天風呂 | 金泉+ジャグジー | 金泉のみ |
| 雰囲気 | 広くて開放感がある | 緑に囲まれてしっとり静か |
※女性の場合、私たちが泊まった日は夕方が「爽泉」、翌朝が「瑞泉」でした。男女入れ替え制なので、男性は逆の順番になります。
夕方の爽泉は、露天がとにかく広くて開放的。ジャグジーもあって「しっかり湯浴みをした」という満足感があります。翌朝の瑞泉は打って変わって、緑に囲まれた静かな露天。朝の光の中でぼんやり浸かる時間が本当に気持ちよかったです。
同じ宿の大浴場とは思えないほど印象が違うので、「1泊で両方に入れる」のは想像以上にお得でした。夜と朝の2回、ぜひ両方入ってみてください。
実際に入り比べた印象をまとめると、こうなります。
| 金泉(大浴場) | 銀泉(部屋の露天風呂) | |
|---|---|---|
| 見た目 | 濁った茶色(透明度はゼロ) | 無色透明 |
| におい | 強くない | 強くない |
| 肌ざわり | 柔らかい | 柔らかく、さっぱり |
| 泉質(公式表記) | 含鉄-ナトリウム-塩化物強塩温泉 | 単純弱放射能泉(ラドン泉) |
| 体感 | しっかり温まる | さらっと長く入れる |
金泉は写真で見るより実物のインパクトが強く、手を入れると底が見えないほどの茶色。「これが有馬か」と分かりやすく感動できます。鉄分に加えて塩分も含んでいるのが特徴です。一方の銀泉は無色透明でさっぱり。どちらが良いというより、性格がまったく違うお湯でした。
そして、この宿で一番「おっ」となったのがこれ。
夕食に、金泉を煮詰めて作ったお塩が出てきます。
金泉に塩分が含まれていることを、舌で理解できる仕掛けです。温泉を「浸かるもの」としか思っていなかったので、これは面白い体験でした。
なお公式サイトには「金泉(赤湯)・銀泉(ラドン泉)の源泉表記以外は温泉ではございません」との注記があります。大浴場の内湯には透明なお湯の浴槽もありますが、そちらは温泉ではないということですね。「透明だから銀泉」ではないので、ここは間違えやすいところです。
大浴場は驚くほど空いていた
夕食前と翌朝の2回入りましたが、どちらもほぼ貸切状態。夕方は本当にひとりきりに近く、朝も脱衣所で数人とすれ違った程度でした。大人専用の宿で客室数が絞られているぶん、大浴場が混み合わないのだと思います。
露天も広く、清潔。正直、「部屋に露天風呂がなくても、ここだけで十分満足できるのでは」と思ったくらいです。湯上がりの待合にはドリンク(ビールもあります)が用意され、マッサージチェアの部屋も無料で使えました。
【知っておくと得すること】
実はこの宿、無料で使える貸切露天風呂(銀泉)もあります(内鍵式・6:30〜22:30・タオルは持参)。私たちは部屋に銀泉の露天風呂があったので今回は利用しませんでしたが、銀泉付きの客室を取らなくても銀泉に入れるということ。「金泉は大浴場、銀泉は無料の貸切風呂で」という組み合わせにすれば、部屋のグレードを上げずに両方の湯を楽しめる計算になります。宿泊費を抑えたい方は検討してみてください。
14時イン→12時アウトだからできた、温泉街さんぽ
この宿、チェックイン14時・チェックアウト12時と滞在時間が長めです。私たちは12時ごろに現地へ着いてしまったのですが、先に車と荷物だけ預かってもらって、身軽に温泉街へ出られました。

ランチは「土山人 はなれ」のすだち蕎麦
有馬本店は10組以上の行列だったので、少し歩いて「はなれ」へ。上り坂を2分ほど登った先にあります。席は空いていましたが、スタッフさんが少なく案内までは少し待ちました。

このすだち蕎麦、お出汁が暑い季節の体に染み入るようでした。天ぷらも文句なし。2人で約4,500円(すだち蕎麦単品1,600円、すだち蕎麦+天ぷらセット2,200円、太巻きと蕎麦のセット2,300円)。
手焼きの炭酸せんべいを見学
有馬名物の炭酸せんべいを、目の前で焼いているお店がありました。「炭酸煎餅本家 三津森本舗」です。

試食もいただきました。焼きたてでも熱々ではなく冷めた状態で出てくるので、味の印象は「ふつうにおいしい炭酸せんべい」。せんべいを焼くときに出るふちを集めた「せんべいの子」と缶入りを購入して、合計1,500円でした。
暑い日は地ビールで一息
7月の有馬は暑い。有馬Cinq.(Bar du SAKE)でクラフトビールを1杯ずついただきました(各680円)。

有馬麦酒のホワイトエールは苦みがなく、コリアンダーがふわっと香るタイプ。フルーツビールの方は甘くてほぼカクテルで、ビール感はありませんでした。
竹細工と、有馬の名所



散策はぜんぶで2時間ほど。チェックイン前の時間をまるごと楽しんで、そのまま宿に戻れるのは、荷物を預かってもらえたおかげです。
チェックインから、もてなしが違った
宿に戻ると、カウンターにたどり着く前にソファへ案内されました。荷物はすでに部屋へ運ばれていて、手続きはすべて座ったまま。



車は鍵を預けるだけであとはお任せ。チェックアウトのときには玄関先まで回してくれていました。部屋までは案内していただき、部屋の中で館内の説明を受ける流れです。
1階ラウンジは滞在中フリードリンク(16:30〜18:30はお酒も)
この宿でかなり気に入ったのが1階のラウンジ。滞在中ずっとドリンクが無料で、しかも16:30〜18:30はアルコールまで無料になります。



私は白ワインと炭酸水をいただきました。ただし種類は多くありません。生ビール・白ワイン・赤ワイン・ウイスキーが各1種類ずつ、という構成です。「飲み放題」を期待すると拍子抜けするかもしれませんが、夕食前の一杯としてはこれで十分でした。
夕食|神戸牛と黒毛和牛、食べ比べてわかったこと
夕食は1階の和食レストランで。窓の外に緑が広がる席に案内されました。


そしてメインが、このプランの主役。神戸牛と黒毛和牛の食べ比べです。

食べ比べた結論を正直に書くと、私の好みは黒毛和牛でした。サクッと歯で噛み切れるやわらかさが心地よくて。神戸牛の方は噛みごたえがあり、肉を食べている満足感が強いタイプ。どちらもしっかり甘みがあって、優劣というより好みの問題だと思います。
そして忘れてはいけないのが淡路産の玉ねぎ。これが本当に甘くて、肉との相性が抜群でした。
金泉から作られたお塩はピリッと刺激的。ここでしか体験できない味です。



量は多すぎず、ちょうどよい構成でした。コース料理にありがちな「後半つらくなる」感じがなく、最後までおいしく食べられます。
記念日で予約していたことを覚えていてくださって、ちょっとした心遣いをいただきました。内容は書きませんが、こういうさりげないおもてなしは本当にうれしいものです(サービス内容は時期によって変わると思うので、期待しすぎず「あったらラッキー」くらいがちょうどいいと思います)。
翌朝|庭園さんぽと、「朝食をランチに変更」という神システム
朝はマッサージチェアでのんびりして、大浴場へ。前夜とは男女が入れ替わっているので、昨夜とは違うお湯に入れます。朝も空いていました。
チェックアウトが12時と遅いので、朝の時間がとにかくゆったり。エントランス脇の庭園を散歩しました。



そしてこの宿でいちばん感動したサービスがこれです。
朝食を、ランチに変更できます。
夕食をたっぷり食べた翌朝って、正直あまりお腹が空いていないですよね。この宿では朝食の代わりに、11:30または12:00スタートのランチを選べるんです。
- 予約時に決める必要なし。夕食の終わりにスタッフさんが希望を聞いてくれます
- 追加料金なし
- メニューは3種類から選択(すき焼き/鰻重/お造りなどの松花堂弁当風)

私はすき焼き、夫は鰻重を選びました。朝はゆっくり寝て、温泉に入って、庭を散歩して、早めの昼食を食べてチェックアウト——この流れが本当に快適で、「1泊の満足度ってこんなに変わるのか」と実感しました。
ひとつだけ補足すると、このレストランの一般ランチメニューと比べるとボリュームは少なめです。ガッツリ食べたい方には物足りないかもしれませんが、私たちには適量でした。

正直レビュー|良かった点・気になった点
良かった点
- 銀泉付きの客室を取れば、金泉(大浴場)と銀泉(部屋)を1泊で両方味わえる。有馬に来た意味を存分に感じられる
- 大浴場がとにかく空いている。ほぼ貸切のような時間帯もあった
- 2つの大浴場の雰囲気がまるで違う(開放的な「爽泉」と、緑に囲まれた静かな「瑞泉」)。1泊で両方入れるのがうれしい
- 朝食→ランチ変更。夕食が豪華な宿だからこそ、この選択肢が効いてくる
- ラウンジと客室のドリンクが無料(ビールも)。細かい出費を気にせず過ごせる
- 大人専用の静けさ。食事処でも温泉でも、ざわざわした場面が一度もなかった
- 車を預けてしまえる気楽さ。到着時も出発時もスタッフさんが動かしてくれる
気になった点
- 部屋の露天風呂はかけ流しではなく、温度調整も自分ではできない。部屋のお風呂に強いこだわりがある方は要確認
- ラウンジの無料アルコールは種類が少ない(生ビール・赤白ワイン・ウイスキー各1種類)
- ランチに変更した場合、一般のランチより量は控えめ
- スタッフさんがとても丁寧で腰が低い。心地よい一方で、人によっては恐縮してしまうかもしれません
こんな人におすすめ
- 記念日に、静かな宿でゆっくり過ごしたい夫婦・カップル(13歳未満が泊まれないので、館内が本当に落ち着いています)
- 有馬の金泉も銀泉も、どちらも体験したい人(銀泉露天風呂付きの客室を取るか、無料の貸切露天風呂を使えば1泊で両方に入れます)
- チェックアウト後の予定を詰めたくない人(12時アウト+ランチ変更で、午前中がまるまる休憩時間になります)
- 逆に、小さなお子さん連れの旅行には利用できませんのでご注意を
よくある質問(FAQ)
Q. 金泉と銀泉、どちらにも入れますか?
A. 入れますが、入れる場所が分かれています。大浴場は金泉のみで、銀泉は客室の露天風呂か、無料の貸切露天風呂で楽しむ形です。私たちは「銀泉露天風呂付きの客室」に泊まったので、部屋で銀泉・大浴場で金泉と、1泊で両方に入れました。銀泉付きの部屋を取らない場合は、無料の貸切露天風呂(銀泉)を利用する手があります。
Q. 大浴場が2つあって入れ替わるそうですが、泉質も変わりますか?
A. 泉質は変わりません(どちらも金泉)。ただし浴場の雰囲気はまったく違います。「爽泉」は露天に金泉とジャグジーがあって広く開放的、「瑞泉」は緑に囲まれた静かな露天。1泊で両方入れるので、ぜひ夜と朝の2回楽しんでください。
Q. 部屋の露天風呂はかけ流しですか?
A. 私たちが泊まった「銀泉露天風呂付 和室1間」はかけ流しではなく、温度調整も自分ではできませんでした(公式表記も「放流・循環併用式、加水あり加温あり」)。湯温自体はちょうどよく、滞在中4回入りましたが不満はありませんでした。
Q. 子どもと泊まれますか?
A. 13歳未満は宿泊できません。大人専用の宿です。
Q. 朝食をランチに変更できるって本当ですか?
A. 本当です。11:30か12:00スタートを選べて、追加料金はありません。予約時に申し込む必要はなく、夕食の終わりにスタッフさんが希望を聞いてくれます。メニューは3種類(すき焼き/鰻重/松花堂弁当風)から選べました。
Q. チェックイン前に着いてしまったら?
A. 私たちは12時ごろに到着しましたが、車と荷物を預かってもらって温泉街を散策できました。身軽に歩けたので、結果的に時間を有効に使えました。
Q. 温泉街は歩いて回れますか?
A. 回れます。宿から神戸電鉄の有馬温泉駅までは徒歩4分ほどで、金の湯やねね橋、土産物店はその周辺に集まっています。2時間もあればひと通り楽しめました。
まとめ|「安くはないけれど、納得」の1泊でした
2名で112,500円。安くはありません。でも泊まってみて感じたのは、「この価格帯になると、ここまでのサービスが受けられるのか」ということでした。一般的な宿泊施設とは、行き届き方がまるで違います。
金泉と銀泉を1泊で入り比べられて、部屋にも露天風呂があって、ラウンジのドリンクは無料で、朝はゆっくり寝てランチを食べてから帰れる。「有馬温泉で、大人ふたりが静かに過ごす」という目的なら、これ以上ないくらいはまる宿だと思います。
次に泊まるときは、夕食をシェフズルームで楽しんでみたい。もう「次」を考えている時点で、この宿の満足度が伝わるでしょうか。
昨年の結婚記念日に泊まった神戸のホテルはこちら
